ピアノ防音工事・ピアノ防音設計
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ピアノ防音工事・ピアノ防音設計

 ピアノの場合は室内で出す音が隣接する部屋や隣戸へ騒音にならないようにすることが重要です。また、外部からの騒音対策もピアノの音質を引き出し、より良い環境をつくるために必要不可欠です。AGKの防音工事は、周囲環境を把握し、適度な目標値を設定して、最適な防音材、吸音材を組合わせることで、お客様に、安く安心してお使いいただけるピアノ防音室を提供いたします。
 ピアノの裏などに直接取り付ける、防音材・吸音材は、ピアノ自体の音質が変わったり、本番演奏の時とタッチが変わってしまうため違和感があり、お勧めできません。
ピアノ防音工事例-1 ピアノ防音工事例-2



ピアノ 防音工事・防音設計の目標値

 部屋の防音性能は、D値という遮音性能の等級で評価されます。D値と人の聞こえ方(感じ方)の対応はおおよそ下記表のような関係になっています。この評価は一般住宅であり、プロのピアニストの場合は、必要となるD値が1ランクほどずれて大きくなります。これにより、ピアノ防音室の隣室の使用条件によって必要な防音性能は変わりますが、Dr-70〜Dr-60程度が目標値となります。
一般のマンションなどのコンクリート界壁は、Dr-50ぐらいが標準的であるため何も対策をしないでピアノを弾かれると苦情がでる可能性がありますので防音工事が必要となります。
また、特にマンションの仕上げ壁で良く使用されているGL工法という仕様は、話し声・TVの音などが良く聞こえてしまうためピアノなどの楽器音は、通常の仕上壁よりも良く聞こえてしまうため注意が必要です。

表示尺度と住宅における生活実感との対応例
遮音等級 Dr-65 Dr-60 Dr-55 Dr-50 Dr-45 Dr-40 Dr-35 Dr-30 Dr-25 Dr-20 Dr-15 備考
ピアノ、ステレオ等の大きい音 通常では聞えない ほとんど聞えない かすかに聞える 小さく聞える かなり聞える 楽曲がはっきり分かる よく聞える 大変よく聞える うるさい かなりうるさい 大変うるさい 音源から1mで90dBA前後を想定
テレビ、ラジオ、会話等の一般の発生音 聞えない 聞えない 通常では聞えない ほとんど聞えない かすかに聞える 小さく聞える かなり聞える 話の内容がわかる はっきり内容がわかる よく聞こえる つつぬけ状態 音源から1mで75dBA前後を想定
生活実感、プライバシーの確保 ピアノやステレオを楽しめる
*機器類の防振は不可欠
カラオケパーティ等を行っても問題ない
*機器類の防振が必要
隣戸の気配を感じない 日常生活で気がねなく生活できる
隣戸をほとんど意識しない
隣戸住宅の有無がわかるがあまり気にならない 隣戸の生活がある程度わかる 隣戸の生活がかなりわかる 隣戸の生活行為がよくわかる 隣戸の生活行為が大変よくわかる 行動がすべてわかる 遮音されているという状態ではない      小さな物音までわかる 生活行為、気配での例
日本建築学会より
プロのピアニストの場合は、1ランク左による


遮音等級D値とは、

 図-1のようなJIS A 1419-1(2000)「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法ー第一部:遮断性能」に示される空気遮断性能を評価するための基準曲線の周波数特性と等級を用いて評価します。各周波数における測定値をプロットし、結んだ曲線に対して、等級曲線を全て上回る一番高い等級曲線をその等級と読みます。(各周波数最大2dB許容)図-1で示した例では、Dr-40となります。また、ここで読んだ遮音性能Dr値を表-1、2のような評価表(日本建築学会推奨基準)を用いて評価しています。
 一般の建物を設計する場合、遮音性能は、表-1の値を目標におこなわれます。マンションなど集合住宅では、一級のD-50程度が標準的なものです。したがって、ピアノを弾く場合は防音が必要となるわけです。防音工事は、できるだけ苦情が出る前にやっておきたいものです。
ピアノ防音工事 遮音等級D値

図-1 空気遮断性能(防音性能)

ピアノ防音工事 D値

表-1 既存建物の設計遮音量

ピアノ防音工事 D値2

表-2 上記等級の意味



ピアノ室の防音構造

 単一部材の遮音性能は、入射音の周波数と材料の面密度の対数に比例します。(質量則)つまり、材料の重量が増えると遮音性能があがります。しかし、質量則では、重量を2倍(同一材なら厚みを2倍)にしても6dBしか遮音量は増加しません。
ピアノ室を作ろうとしている既存壁が、コンクリート20cmだったとすると、コンクリートの厚みを倍にして40cmにしても6dBしか防音性能はあがりません。したがって、コンクリート壁面に、直接、防音シートやゴム・鉛シートなどをいくら貼っても防音効果はありません。

○質量則による遮音量の計算
垂直入射;TL0=20log10fm42.5
拡散入射;TL=TL010log10f0.23TL0

f[Hz];入射音の周波数
材料の面密度;m[kg/u]
m=ρ×t ρ;密度[kg/m^3]、t;厚さ[m]


 この質量則以上の遮音量を得るには、部材間に空気層をとった二重壁を構成することにより可能となります。また、この部材間の振動伝達を抑えることによりさらに防音性能が向上します。したがって、ピアノの防音のように高度な防音性能が必要な場合は、防振設計が必要不可欠となります。また、ピアノの足から伝播する振動を防振する必要があるためこの防振設計が重要です。しかし、ピアノの足のみの防振インシュレータだけでは、ピアノの直接音が床・壁・天井に入射し躯体を伝播する振動を抑えることができないため十分な効果を望めません、ピアノ室全体を浮かす防振工事が必要となります。ピアノの音の伝搬経路を下図に示しました。

 AGKでは、ポリウレタン系防振材「シロマー」を使用することで、容易に部材間の振動伝達を抑え防音性能を向上させることができ、他社よりも建物に重量をかけずに遮音性能を向上させる防音壁システムも開発しています。また、簡易的に床を防振したい場合も当社オリジナル浮床防振材、「シロマーブロック」「グラスウールシロマーダンパー」をお使いください。特に、マンションの防音・防振には、薄く便利な防振材料です。



ピアノの音の伝搬経路

ピアノの音の伝播経路



●ピアノの防音仕様例

ピアノ室防音工事「天井」 ピアノ室防音工事「壁」
防音天井 仕様例 防音壁 仕様例

ピアノ室防音工事「床」
防音床 仕様例

*防音工事をおこなうと、部屋が狭くなります。上記防音仕様ですと、天井250mm、壁135mm、床126mm必要となります。このスペースが大きくとれる場合は、防音性能が向上します。

*高性能なピアノ防音の基本は、防振であり、防振材の選定が重要です。防振材にかかる荷重より、防振効果を計算します。ただ、防振ゴム、防振パット、防振シートを挿入するだけでは、不十分です。きちっとした計算が必要であり、計算、防振材を間違えると逆に伝播音が増幅し、防音効果が落ちてしまうこともあります。施工後、防音性能が出ないため、当社に相談に来られる工務店さんなどの大半は、あるメーカーの防振・防音材を使ったのですが防音性能が悪いというご相談です。その原因の多くは、防音材、防振材の使用方法が悪かったり、計算をしていなかったことです。



●部分防音の注意

 マンション最上階のピアノ室なので床だけ防音すれば良い、1階なので天井だけ防音すれば良いとお考えの方がいらっしゃるかもしれません。しかし、音は、壁からも廻り込ますし、壁に入射した音が躯体の内部を伝搬する固体伝搬音として、隣室に伝わっていきます。したがって、部分防音は、仕様に見合う(計算される)十分な防音効果は得られませんので注意が必要です。もちろんまったく防音効果が無いわけではありませんので、隣室の条件、ピアノを弾く時間帯、予算などを考慮して十分検討し、工事をおこなう必要があります。部分防音の場合は、ピアノ室の隣室が、他人の部屋で寝室の場合、夜間使用は絶対無理と考えてください。
ピアノ防音〜部分防音床

部分防音例〜マンション最上階のピアノ室で床だけ防音工事・防振工事をおこなった場合

ピアノ防音〜部分防音天井

部分防音例〜マンション最下階のピアノ室で天井だけ防音工事・防振工事をおこなった場合

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